受験勉強中、必ずと言っていいほどやることの1つに「過去問」があります。
過去問とは、過去に出題された試験のことです。書店などでは「過去問題集」という形で、何年間分の実際の試験問題が1冊にまとまった形で販売されています。
過去問は、ただ解くだけではもったいない!過去問を、得点アップに結び付ける効率の良い使い方をご紹介します。
まずは過去問の選び方から。こんな過去問集を選びましょう!
「過去問やるぞー!」となり、いざ書店(やWeb通販)で見てみると、いろんな種類の過去問が置いてあると思います。
「どれを選べばよいのかわからない!」となってしまいますよね。そういった場合に着目したいポイントをお伝えします。
①直近5年以内の過去問であるか
②最新の法改正に対応しているか
③マークシートがちゃんと備わっているか
以上3点です。具体的に見ていきましょう。
①直近5年以内の過去問であるか
問題演習はたくさんやればやるほど良いという考えの方もいるかと思います。量を積みたいのであれば、「10年分」といったものも売っています。
ですが、ここでは「時間がなかなか作れない人」を対象にお話ししますね。果たして10年分も解く必要があるのか…というところです。
10年で、労働法はガラッと変わります。むしろ、1年であっても結構「法改正」はあります。そういった面では、あまり長い年数を解くのはおすすめしません。
10年で、過去問のほとんどが法改正してしまった、となると、解く意味がなくなってしまいますからね。そういった意味で、最長5年分と考えた方が良いですね。
5年分解いていれば、法改正をしていない部分で、繰り返し出題されているものもあったりするからです。
それでも時間がない人は、最低でも、3年あれば十分でしょう。3年であれば法改正の影響も少なく済むからです。
②最新の法改正に対応しているか
問題遺文や解説文を読んでみましょう。数年前は正解だった問題も、今では不正解になるということはよくあります。
きちんとそういった法改正に問題集が対応しているかどうか、確認するようにしましょう。
たいてい、表紙に「法改正対応!」と文言が書かれているはずです。具体的には、中身を開いてみましょう。問題で「この選択肢は法改正のため削除」などと書かれていて、なおかつ解説文にも法改正の旨書かれているものを選びましょう。
「平成●年時点ではこの選択肢が正解だが、今は違う、よって×」。というように解説文にもしっかり書かれていれば安心です。
過去問によって、誤った知識を得てしまっては困ります。そのため、きちんと最新版を購入するようにしましょう。
「安いから」と中古で過去問を購入するのは上記の理由でおすすめしません。かえって労力が増えてしまいます。
お金をかけたくないと思っていても、過去問の「最新版を買う」ことにかける価値は十分にあります。
③マークシートがついているか
過去問演習で是非慣れておきたいこととして、「マークシートでの解答」があります。
繰り返し解けるように、マークシートがきちんとついているものが良いですね。
試験本番を鉛筆で受験する予定の方は、鉛筆でマークシートを塗りつぶす練習も積んでおくと良いでしょう。
しっかり丁寧にマークシートを塗りつぶすのは、意外と時間がかかります。本番中、思わぬところで時間のロスがないように、過去問で練習しておくと良いです。
【択一試験】まずは科目ごとに解いてみる
過去問を解くたびに3時間30分も時間取れないよ…という人におすすめの方法。科目ごとに区切って解いてみましょう。そして、「解くのにかかった時間」を測ってみましょう。
科目ごとに細切れに解いている場合、トータルでかかった時間を把握しないと、自分が解くスピードが速いのか遅いのかが判断できなくなるからです。
全ての科目が終わったら時間を足してみて、3時間30分以内に収まっていればOK(30分くらい余裕は欲しいですね。)3時間30分の試験で、30分は見直しの時間として実質3時間で解くのが理想です。
1科目あたり解答時間の目安は25分くらいです。ギリギリだったり、制限時間を超えてしまった場合は、原因を見つけて、対策を考えましょう。
1日に3時間半とることが難しくても、25分プラス復習の時間で30-40分ほどで出来るので、時間がない人は細切れに過去問を解いてみてください。無理なく進められます。
そして、答えを選んだら、その解答の選択肢にかならず〇を付けておきましょう。
迷ったら「なぜ」「どこで」迷ったのか、自分の思考を書いておきましょう!
さて、過去問を解いていて、時間を測ってみます。たとえば、ある科目で時間がかかりすぎたとします。25分超えたとします。
なぜ25分超えてしまったのでしょうか。内容が単純にわからなかった?読むスピードが遅かった?疲れていた?
「迷って」時間がかかることが殆どじゃないでしょうか。この問題の答えどっちだろう、こっちかなぁ、いや、ちがうかなぁ…という頭の中での自問自答で時間が過ぎてしまう。
迷った問題が出てきたら、どこがわからなかったのか、問題に〇なり印なりをつけておきます。そしてどうして迷ったのかをメモしておくとよいです。
たとえば、選択肢AとBで迷って、Aはこんなことが違うように思うけど、Bもこの部分が違くて、本当はこうなんじゃないか。といったようなメモ書きです。
どうして迷っていたのかを明確化すると、後で復習しやすいです。自分はここで躓いていたんだというのが一発で分かります。
このメモ書きがないと、どうして自分が迷っていたのか、その過程がわからなくなってしまいます。迷った挙句勢いで選んだ答えが正答になってしまっているかもしれません。〇だと、安心して復習なんてしませんよね。
それだと、いつか同じような問題が出た時にまた、迷います。ずーっと同じことの繰り返し。時間がもったいないです。
「文字を書く」という手間はありますが、その時にきっちり迷いを断ち切ることが出来れば、次に同じような問題が出たとしてもブレません。結果的には効率が良いのです。
そして、迷って時間がかかりそうだったら、「見直し」のときにじっくり考えるために、上記のメモと、とりあえず答えを選んで次の問題へ進んでしまいましょう。
わからない問題をずるずる引きずって時間がかかってしまったということはよくあります。あと、わからない問題のことが気になってこれから解く問題に集中できない、とか。
そういうものを断ち切るためにも、明文化して、「次!」と切り替えが出来るように訓練しておきましょう。
【選択式】一気に解いてしまおう!復習は音読も!
選択式は、本番は80分の試験です。ですが、たいてい30分ほどで解けてしまいます。(受験の時も、ほとんどの人が途中退室していました…。)
そのため、全科目一気に解いてしまいましょう。その時間を確保するのも難しいようでしたら、労働法・社会保険法に分けて解くのが良いかと思います。
解き方は、まず選択肢を読みます。20個あります。20個ざっと読んでみて、似たような語句があることに気が付くはずです。
似たような語句をまとめていくと、5つのグループに分かれると思います。そのグループからそれぞれ1つ、正答を選ぶ形です。20個並んでいる選択肢を見ると、「げっ」と思いますが、グループ化してしまえば、とっかかりやすくなるでしょう。
あと、先に選択肢を見ると「だいたいこんな問題が出るのかな」という予測が出来ます。予測が出来たうえで、選択式試験の問題文を読むことになります。
選択式試験の問題文は長いです。ぱっと見て「いやだなぁ」と思うことでしょう。そのいやだなぁを少しでも軽くする方法が、「先に選択肢を見てしまう」なのです。
さて、問題に入ります。問題の穴埋めになっているところは、選択肢の5つのグループのうち、どのグループから答えを選べばよいかなぁという感じで探していきます。選択肢は20個ですが、実質4択です。
ここでも、迷ったら必ずメモしておきましょう。どこで迷ったのか、きちんと明文化しておきましょう。すべては復習のためです。
そして、選択式の復習は、「音読」を取り入れると良いです。今までも何度もお話してきましたが、「耳」から入る言葉は記憶の定着も早くなります。
マークシートと鉛筆を使ってみる。
試験本番は鉛筆を使います。模擬試験の時から鉛筆に慣れておきましょう。夏の暑い時期に受験するのと緊張が相まって、鉛筆が汗ばんでつるつる滑ることがあります。
細かいことですが、普段は全然感じない「感覚」なので、結構ストレスです。
あと、鉛筆の芯がとがりすぎていると、マークを塗りつぶすのに時間がかかったりするので、「ベストな芯の太さ」で臨めるようにしておくと、ちょっと時短になったりします。
(マークをちゃんと塗りつぶしていないと、未回答という扱いにもされかねませんからね。。)
マークシートをしっかりときれいに塗りつぶす練習もしておきましょう。
【択一試験】見直しの練習をする
問題を解いてみたら、「見直し」をしましょう。「どういうところを見直そうかなぁ~」の訓練を過去問でやっておきましょう。
私が見直しで重点的に行っていたのは、
①誤っているものを選ぶのか正しいものを選ぶのかの見直し
②迷った問題の再考
③マークミスがないか、解答用紙と問題用紙の答えを見る。
でした。
①については、よく、誤っているものを選ばないといけないのに正しいものを選んでいたりします。
②は、あとでじっくり考えるために印や考え方を記入した問題をもう一度解くという意味です。試験問題をとりあえず1周すると新たなアイデアが浮かんできたりもするかもしれません。だから、見直すのです。
③これは本番で最もやりたくないミスです。問題用紙では正答を選んでいるのに、マークする場所を間違えてしまっていたら勿体ないですものね。これは、全問、問題用紙に〇をつけた答えとマークで塗りつぶされている答えが一緒かどうか確認した方が良いでしょう。
過去問は、問題の内容を理解しているかを把握するという点ももちろん大事なのですが、試験を受けるにあたって大事な「非日常」を経験できる良い機会です。
非日常の訓練をしておくことで、試験という「非日常」を「普通」の状態で臨むことが出来ます。
もう、試験まであと少しですね。頑張っていきましょう!
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